町(永明地区)の歴史                    目次へ


 No.20 永明地区の近・現代(その11)

  女屋町に女屋小作人会が、木瀬村小作人会の11部会として発足したのは、大正10年3月13日の
 ことであった。このあと3月21日に同会の付属機関として自彊会が設立されている。同会の規約によ
 ると「地主対小作人間ノ親交ヲ謀リ斯業界ニ於ケル労力経済ノ基礎ヲ確立スルニアリ」とあり、この目的を
 達成するために
    1,労力の補給
    2,労力賃金の協定
 の2事業を遂行するとある。

  この規約にもとづいて実施された同会の事業の記録が、大正10年から昭和32年まで残されている。
 およそ半世紀間の記録として大変貴重なものといえよう。最近の労賃と比較していただくために、大正
 10年の労力賃金を紹介してみよう。

    大正10年 労力賃金 3月社日より4月15日迄 金60銭 4月16日より5月5日迄 金75銭
                  5月6日より5月30日迄 金90銭 6月1日より8月25日迄 金1円20銭
                  8月26日より9月社日迄 金90銭 9月社日より春蒔終り迄 金1円5銭
                  12月1日より3月社日迄 金80銭
    作業別としては次の様にある。
            田植植付反当り 金2円50銭 植代反当り 金1円50銭 中代反当り 金70銭
            一番代反当り 金40銭 鋤掛作破り 金1円20銭 2回返し 金80銭 
            桑園起し反当り 金1円 鍬掛反当り 1円70銭(以降秋の場合) 田カキ反当り
            金1円70銭 作切り反当り 金70銭 稲コキ一駄 金30銭 稲カリ反当り 金2円也


                                         (『農協えいめい』1973.03.01 33号)

         No.19 永明地区の近・現代(その10)
         No.21 永明地区の近・現代(その12)

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